イギリスの人気バンドだったベイ・シティ・ローラーズでメインボーカルを務めていたレスリー・マッコーエン氏が4月20日に死去した。65歳だった。
遺族の声明によれば「突然自宅で亡くなった」という。
レスリーは日本でも若い女性を中心に大人気だったベイ・シティ・ローラーズのボーカリストとして、「バイ・バイ・ベイビー」や「サタデイ・ナイト」などのヒット曲を生み出した。少し鼻にかかった甘い歌声は、アイドルグループによく似合い、ときおり聞かせるシャウトも独特だった。
日本ではクイーンとともに「中高生女子に人気の外国人アーティスト」の代表格だった。「サタデイ・ナイト」を日本語でカバーしたのはジャニーズ・ジュニア・スペシャルだが、まさに現在のジャニーズタレント並の人気を誇った。中学生の女子はスコットランドがどこにあるか知らなくても、「エジンバラ」と「タータンチェック」は知っていた。
来日した際にNHKで放映されたライブでは、演奏がほぼ「カラオケ」で、終始ファンに手を振りながらもギターサウンドが流れ続けた。これは手を使わなくてもギターが弾ける「ベイ・シティ・ローラーズ奏法」として有名になった。
レスリー在籍時の最高傑作とされるアルバム「青春に捧げるメロディー」(Dedication)では、メロディアスなタイトル曲や大ヒットした「二人だけのデート」に加え、自分たちの未来を暗示したかのような「イエスタデイズヒーロー」もラインナップ。「オレたちは『昨日のヒーロー』になりたくない」と歌うレスリーには哀愁さえ漂っていた。
ベイ・シティ・ローラーズのメンバーでは昨年イアン・ミッチェル氏も死去している。